〝マスク(くち)口“に注意!2

前回に引き続き歯科助手の松本が担当します。

今回、紹介するのはマスクのまま簡単にできる

“マスクロ体操” と “ガム噛みプラス”です。

 

“マスクロ体操”

一般的な口腔体操によくみられる舌出し運動(挺舌)は

マスクを装着した状態では不衛生なためNGです。“マスクロ体操”は,

3つの異なる連続した口の動きを組み合わせることにより

口腔機能のポイントとなる「口唇・前頸部・舌・頰部」の

負荷運動を再現できます。

効率的かつシンプルで人目を気にせず場所や時間も選ばずに実施できます。

必ずしも回数や目標を設定して取り組むものではありませんが、

一つひとつの動きをしっかり意識し、

可動域を大きくイメージするとより効果的です。

 

意識して“ガム噛みプラス”

マスクをしたままでも積極的に口を動かし、刺激時唾液の分泌を

促進する方法として“ガム噛みプラス”を追加すると良いです。

噛むガムの形状は板状・粒状どちらでも構いません。ポイントは、

ガムを左右の日歯部に交互に移動させ、意識して強めに噛むことです。

無意識かつ単調にガムを噛んでいるのと比べ、1回1回の強い噛みしめにより、

左右の咬筋の収縮と唾液の分泌が実感できると思います。

そして、10分間ガムを噛んだときの咀嚼回数は約550回といわれ、

これは現代人の1食あたりの咀嚼回数(約620回) に匹敵します。

噛む回数の減少は口腔の衰えを加速させるため、口腔機能の維持の為にも、

ぜひお勧いたします!

 

制限解除されるも、なかなか終焉のみえない新型コロナウィルス感染症との

共存生活は続きそうです。「目は口ほどに物を言う」とはいいますが、

マスクは相手の表情が見えづらく、声も聞こえにくいなど

意思疎通の障壁でもあります。マスクによって気づかないうちに

サイレントに進行する“マスクロ” に注意しましょう

 

 

(参照デンタルハイジーン2021年6月号)