~歯の根のお話②~

溜まった膿の圧迫痛「根尖性歯周炎」

痛みの2つめは、「膿があごの骨を圧迫する痛み」です。

歯の根の虫歯が進行すると、根の先、つまり顎の骨の中に膿ができる事があります。

細菌感染が歯髄から根の先へと進んでいくと、

細菌が体内に入り込まないように、根の先で免疫細胞と細菌が戦い始めます。

この時両者の死骸が膿になり、溜まっていきます。

この膨らんだ膿が、顎の骨を内側から圧迫し、ズキンズキンと激しい痛みを生じさせるのです。

歯の根の先に起こる炎症なので、「根尖性歯周炎」と呼ばれます。

実は、この根尖性歯周炎も歯髄炎と同じように、ある時痛みがフッとなくなります。

それは膿が破れたときです。

膿が破れるとどうなるかというと、歯茎に穴が開きます。

「穴!?」と聞いて驚くかもしれませんね。

膨らみすぎた膿は、やがて顎の骨を突き破り、

歯茎に穴を開けてお口の中に流れ出ます。

激しい歯の痛みが引いたと思ったら、歯茎にポツッと膨らみができて

そこから汁(膿)が出ている…というのは、まさにこの状態です。

膿の出口ができると、痛みはなくなります。

でも、良くなっているわけではありません。

歯髄が死んでしまった場合も、

膿が破れた場合も、

それ以上の悪化を防ぐために治療は不可欠です。

でも、そもそもそうならないようにするのが1番ですね。

虫歯も歯周病も基本的には、なり始めは痛みのない病気です。

痛みがない時から、定期的に歯科に通って予防していくのが大事ですよ!

 

p26上の図
(nico2022年8月号 参照)