最近、虫歯の治療をしましたか?歯医者と聞いただけで身震いがする人も多いようです。どうしてそのようなイメージになったのでしょうか?痛い思いをして麻酔をし、削ったり抜いたり...。
もう二度といきたくないという気持ちもわかります。でも、最近の麻酔は以前とは比べものにならないほど痛くないのです。また、ゆっくりと注射をするという医師の配慮一つで、ずいぶんと痛みも和らぎます(注射されたことに気がつかない人もいます)。
ひどくなる前に歯医者に行ったほうがいいよなんて言葉を無視していた人も、やっぱり一度、歯科医院に行くことをおすすめします。昔の歯医者の印象と異なることでしょう。
それはそうと、この虫歯の治療、削って詰めることがその方法となっていますが、いくらきちんと削って、きちんと詰めても完治したとはいえません。歯が戻ったわけではなく別の材料で補っただけなのです。金属の詰めものの平均耐久年数が5.4年、かぶせる治療が7.1年。これが治療の平均的な結果です。
虫歯の原因をなくさなければ、削ったところはまた虫歯が再発します。しかも二度目にだめになったときには一段とひどくなり、これを繰り返して、多くの人が歯を失います。虫歯ができたら治療する。これを繰り返すと、どんどん歯は悪くなる一方なのです。
とはいえ、虫歯ができたら、なるべく早く歯科医院にいってください。今虫歯の歯の他に、原因除去療法(削らない)で治る初期虫歯もあるかもしれません。
村上歯科医院では、虫歯がなくても歯科医院に通うことをおすすめしています。虫歯の原因は人によって異なります。その原因を突き止め、お口の中の環境を改善していくのは、早いに越したことはないからです。
時代のトレンドは「早期発見、早期治療」ではなく「早期発見、早期予防(再石灰化)」なのです。
平成16年の「第29回北九州歯学研究会発表会」で、「研究会での20年を振り返って」~治療姿勢の反省から~ と題した発表の中で、これまでの私自身の反省から、患者様が幸せになれる歯科医療を求めていった 経緯を発表しています。
歯学従事者向けの資料となりますが、ご興味のある方はご覧ください。