村上歯科医院症例集

(20)歯周治療・長期症例

約4年ぶりの村上歯科医院治療例です。今回は歯周治療の長期症例です。
非常に重度の歯周病患者様でしたが、3年半の歯周基本治療の結果歯周組織の改善が見られ、
患者様と村上歯科医院スタッフとのラポールが確立し、患者様からのご希望で全額治療に至った治療例です。
歯科関係者の皆様も一般の方も、どうぞご覧ください。

患者様は初診時は56歳女性です。
主訴は「左上臼歯部の歯肉の腫れ」で患者様の希望は「4年間は歯を抜かないでほしい」でした。

治療経過

棍尖部までおよぶ歯槽骨の骨欠損が多くの歯に認められます。

初診時の歯周精密検査表

BOPは97.0%、5mm以上の歯周ポケットが90.2%という非常に重度の歯周病患者様でした。

患者様のご希望通り1本の歯も抜歯せず、3年半歯周基本治療を続けて行きました。
患者様がセルフケアを徹底してくださった結果、歯周組織はかなり改善して行きました。

初診から3年半


  • 多くの歯に歯肉の退縮が認められる

この時点で患者様の事情(半年後に神戸へ転居)で、
半年間で先生の思い通りの治療をして欲しいと希望され、
かなり無理をして全顎的に補綴完了しました。

最終補綴時

最終補綴時のレントゲン写真

最終補綴時の精密検査表

  • BOPが0%である

患者様から感謝のお手紙を頂きました。

歯科医師冥利につきる暖かいお言葉に感謝の気持ちでいっぱいになりました。

その後、7年間神戸から北九州まで3ヶ月に一度定期検診で来院されていましたが、
歯周病的に不安要素だった右上臼歯部のプロービングデプスが深くなってきたので、
遠方からの頻回の来院は気の毒なので、
大阪のカガミ歯科医院の加々美恵一先生にその後のメインテナンスをお願いしました。

H27.10(加々美恵一先生のご厚意による)

H27.10 精密検査表(加々美恵一先生のご厚意による)

レントゲンの変化





  • 初診 H11.4




  • H15.3




  • H25.9

棍尖部近くまで進んだ骨欠損が多くの部分で継時的に骨の緻密化が認めらてきました。

考察

この症例は、患者様のセルフケアの確立が全てだったと思います。本当に頑張ってくださいました。
それと同時に担当歯科衛生士が患者様に寄り添い励まし続けた結果であると思います。
また、長期に良い結果が得られているのは、補綴設計時に残存歯を左右対象で
なおかつ上下的にも対象を意識し保存しクロスアーチスプリントで補綴できたこと、
それと何と言ってもカガミ歯科医院の歯科衛生士さんの技術の素晴らしさにあると考えます。

加々美先生にはこのように重度歯周病の患者様のメインテナンスを快くお引き受け頂き心から感謝しています。

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