久しぶりに村上歯科医院の治療例を掲載いたします。
歯科関係者の皆様も患者様も、どうぞご覧ください。
この患者様は昭和62年4月が初診の、当時56歳の女性です。現在77歳。
すなわち患者様と私の21年間の軌跡です。
患者様の主訴は歯と歯の間に食べ物がつまると言うことと、歯ぐきから出血すると言うことでした。
初診時のレントゲン写真
いわゆるバケツ冠と言われる不良補綴物が沢山入っていた。
一年以上かけて全体の歯周治療、根管治療、補綴治療を行っていきました。
患者様のご希望で上顎前歯部はセラミックで修復しました。
その後、久しぶりに平成9年2月に来院され、以前健康保険で治療していた臼歯部を
自費治療に置き換えることを希望されました。
そこで約1年かけて小臼歯をメタルボンド、大臼歯をゴールドで治療をさせていただきました。
それから約8年後の平成18年6月に久しぶりに来院されました。
下顎臼歯部に咬合痛があるとのことでしたのでレントゲンを撮ったところ、歯根破折が疑われました。
右下7番と左下5番、7番に歯根破折が疑われる像が認められる。
そこで右下6番7番と左下5番7番を抜歯した後に、CTで診断し、その部分にインプラントを植立しました。
高度の骨吸収が認められる。
右下6番7番と左下5番6番7番にインプラントを殖立。
上顎前歯部のセラミッククラウンは歯根の露出はあるが、当院で治療後20年で健在。
上記の症例のように歯科治療は一度完了したら一生そのまま過ごすことができるというものではありません。
歯科医師はできるだけ再治療にならないように一生懸命に努力をしていますが、
毎日過酷な環境の口の中で製作物が長年保たれることは稀なことと言わざるを得ないのが現状です。
それにも関わらず21年もの長い間、村上歯科医院に通い続けてくださった患者様に心より感謝いたします。
患者様と長く関わり続けることで私達は多くのことを学ぶことができます。
そしてその知識を他の患者様の施術に活かすことができます。
前述のように歯科治療は皆様が考えるほど長く持たないのです。
しかしトラブルが発生した時にはこの症例のようにその時点でのいろいろな対処法があります。
また予防法も発達してきています。
どうか皆様には歯科医院(歯科医師や歯科衛生士)と関わり続けてください。
それが健康な口腔を保つ唯一の方法です。