村上歯科医院の治療例もついに10症例目に突入しました。
今回は歯周治療と矯正治療を併用した審美歯科症例です。
歯科関係者の皆様も一般の方も、どうぞご覧ください。
患者様は初診時21歳の女性です。
主訴は歯並びを治したいということと歯肉からの出血が気になるとのことでした。
治療前には歯肉の発赤や腫脹が顕著で歯肉からの出血も多量でしたが、
術後には歯肉はコーラルピンク色に変化し健康な状態を取り戻しています。
また、捻転していた前歯も正直し審美的に回復しています。
治療前の口元は弱々しく不健康に見えますが、治療後は生き生きした健康的な口元に変化しています。
人の口元(顔貌)は歯周組織の健康度や歯並びによってずいぶん変化することが理解できるかと思います。
この症例の治療経過をご紹介いたします。
歯肉の発赤や腫脹が顕著で歯肉からの出血も多量でした。
患者様は歯ブラシを当てると出血するので歯ブラシを歯肉に当てないようにしていたそうです。
主訴は歯並びを治して欲しいと言うことでしたが、ご覧のような歯周組織の状態では矯正治療を始めても
良い結果に繋がらないことを患者様にお話しし、歯周治療から開始することを了解いただきました。
患者様の熱心なブラッシング(セルフケア)と、
担当の歯科衛生士による丁寧なルートプレーニング(プロフェッショナルケア)により
歯肉の炎症も消退し、歯周組織の健康を回復しました。
ここまで来て初めて矯正治療に移行することが可能になるのです。
矯正治療に関しては北九州市小倉北区でご開業の山地正樹先生に丁寧にご指導いただきました。
4番の抜歯ケースの可能性もありましたが、とりあえずレベリングから行い、
その後必要であれば本格的な矯正治療に移行する予定でありましたが、
レベリングの結果患者様の満足を得ましたのでこの状態で修復治療に入りました。
歯肉はコーラルピンク色に変化し健康な状態を取り戻しています。
また、捻転していた前歯も正直し審美的に回復していますし、歯列弓の形態も正しく修正されています。
たった1年半の変化と思えないほどの変化が表情に現れています。
口腔の健康が彼女の内面的な自信となって現れていると考えられます。
リティーナー装着により後戻りの危険を防いでいます。
特に臼歯部に歯槽骨の欠損が認められます。
全体的に歯槽骨の緻密化が認められます。
この症例のように患者様のご協力のもと包括的な歯科治療を行うことにより、
ご覧のような良好な結果を得ることができると考えられます。
この後、この患者様はご結婚をされ、お二人の子供さんに恵まれました。
その間お忙しかったようで来院いただけませんでしたが、
約10年ぶり(H19年11月)にご来院くださいました。
本当に心から嬉しかったです。
なぜなら歯肉炎や歯並びがもとの悪い状態に戻っていないかと心配だったからです。
歯肉の状態は少し悪化し、歯列も少し後戻りしていましたが、
10年と言う空白にも関わらず思ったより悪くなっておらずホッとしました。
この後、メインテナンスを続けていこうと思っています。